好 -kou

繊細人を自称し、香り・匂い・音・服好き。音楽を聞くこと書くことが好き。植物動物も好き。

唯の感想。

 数年後、数十年後の家族や自分のことを考えると怖くて不安で仕方ありません。夜、布団に入ってしばらくは眠れなくなります。かと思えば、今日のように朝早く(4時過ぎとかに)目が覚めて、それから眠れなくなるような時もあります。ただ、考えたところでどこにも辿り着きません。考えても決まらないってのは、「考える」ではない別の言葉が充てられてなかったっけな。

 

 初めて買った(と記憶している)CDについて書いてみます。

 大塚愛さんの『LOVE COOK』。2005年12月発売のアルバム。

 

 小学校生活終盤、5年か6年の時。大塚愛さんの「さくらんぼ」という曲。流行っていたのか知ったのか。テレビで聞いて好きになり、もっと聞きたい!と思いました。そして、中学生になったある時、CDを買うということに思い当たりました。その頃は、好きな歌があったとしても音楽番組で見聞きすることしか方法がなかったんです。(今のように動画サイトやらで聞けるなんてこと知らなかった。)

 CDを買うことに対し、恥ずかしいという思いがありました。中1くらいの私は、「CDを買う」ということにとても大人な感じを抱いていました。CDを買うのは大人になってから…酒やたばこと一緒。大人のやることです。「中学1年くらいがCD買うなんて早すぎるな」

「大人になってしまう」と思ったかもしれない。まだ子供で居たい、大人になりたくない。

 …よくわからなくなりました。とにかく、「ちょっと大人な世界だから、CD欲しいなら親に買ってもらえ」という偏見だかなんだかわからないものが当時の私の中に形作られていたのです。父母に言うのもまた恥ずかしいのでおばあちゃんに頼み、CDショップに連れて行ってもらいました。パソコンで検索するなんてできなかったので、お店に着いてからお目当ての曲が収録されているCDを探しました。「さくらんぼ」が収録されているCDは、残念ながら置いてませんでした。しかし、連れてきてもらったし何か買いたいと思い、買ったのが『LOVE COOK』です。このアルバムの曲なんて1曲も知りませんでした。CDを手にとり、おばあちゃんにも他のお客にも見られたくないとどきどきしながらレジに向かったに違いありません。多感な時期に、有名アーティストの大きめ顔写真ジャケCDを対面で買うというのは勇気が要るものでした。

 

 先に、初めて買った”かも”などと申しましたが、初めて買ったCDはそれではなく、ORANGE RANGEの『musiQ』かもしれないです。書いているうちに思い出しました。買った時期も、中学1年ではなくもっと後かもしれません。

 『LOVE COOK』は、CDを買う時に初めて感じた「恥ずかしさ」を背負っているだけではない、思い入れのあるCDでもあります。このCDを見たり聞いたりすると、おばあちゃんに連れて行ってもらった時のことではなく、小学生の頃よく遊んでいた友だちとその場所、風景、天気のことを思い出します。玄関から見える、道路と白線。向かいの家や車。家を囲う背の低い木々。曇り空と小雨。昼でも薄暗い、それらの景色。

 その友だちと一緒に聞いたのでもないし、忙しくて遊ぶこともなくなった中学生時代に買って(ちょっとだけ)聞いたCD。友だちとの関連はないのに、十数年経った今でも、あの頃の景色なんかををぼんやりと思い浮かべることがあります。懐かしい気持ちにさせてくれます。

 本当は曲の感想なんかも書いてみたかったのですが、音楽の用語や知識、表現や言葉の扱いも非常に乏しいので、書けそうにありません。

 「さくらんぼ」は何年も後になって、シングルCDを買いました。あれから年月が経ちすぎて、もっと聞きたいなんて気持ち、とうにありませんでしたが。このCDもレジに持って行くのが恥ずかしかった。