好 -kou

繊細人を自称し、香り・匂い・音・服好き。音楽を聞くこと書くことが好き。植物動物も好き。

特別な感じのする日、10月31日。

今週のお題「急に寒いやん」

 

秋も深まった、ちょっと寒くて長い夜。
聞きたくなるのはこれ。

 

Sound Horizonハロウィンと夜の物語』。

 

2013年に発売されたシングルCD。
ジャケットイラストからして、秋・夜の感があり、とても気に入っている。

紺色の空にランタンの明かりを思わせるタイトル、
Sound Horizon ハロウィンと夜の物語

少年少女が仮装し、はしゃぐ様子も想像できる。
そんななか、中央のかぼちゃ頭の子どもと黒い男性の異様な佇まい。
Sound Horizonだなぁ。

このCDは”Prologue Maxi”で、のちにアメリカやハロウィンの悲劇が描かれた”Story CD”が出るのかと思っていたがそんなことはならなかった、はず。個人的には残念なような気がしている。

今年、2020年の秋。リマスタリングが施され、再発売された。秋、夜、かぼちゃ、Sound Horizon……そんなものが好きな私は、このリマスタリング・プロジェクトに期待が高まる。

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ジャケットイラストはおそらくオリジナルとの違いはない。帯の日付は2020.10.30になっている。

肝心の内容―音質は?

イヤホンの質によるものか、聞き込みが足りないのか、それとも私の聴力が低いためなのか。オリジナル版とリマスター版とで違いがわからない。正直に言えば、全然わからない。このCDは曲数は少ないが、物語―せりふや効果音、楽器隊による演奏―はこれまでの物語とほとんど変わらず、濃い。そういう所が、もっとはっきり聞こえるようになっていてほしかった。高品質なイヤホンに買い替えるというのがひとつの手かもしれない。

 

さて。

Sound Horizonの曲は、教養やら雑学やらがないと感想すら書くのが難しいと思う。びくびくしながらも、書いていこう。

 

曲の感想……

1.星の綺麗な夜

 『Roman』『Moira』『Märchen』と、”演奏時間の長い1曲目”のアルバムが続いていたが、このシングルの1曲目も長い。これまでで一番長い。
 「戦乱の時代」とかとは違うけれど、それと同じように目まぐるしくて、とても苦しい場所や時代があり、そこを生きた人たちがいるということを知らされる。
 一曲の中で、音楽的な変化が非常に大きい曲。そのどこをとっても私は好きなのだけれど、特にこの曲の序盤、主人公の歌パートがすごい。業火のようである。メロディと、Revo氏の歌い方。主人公の男の一生を思うとこちらまで苦しくなってくる。

 

2.朝までハロウィン

 「いたずらするならー!?今でしょー!」
 はじめは、Revoさんふざけすぎ……と思ったものだ。

 幻想楽団の曲としては演奏時間がかなり短い。1曲目と比べると、物語も曲調も非常に明るい。子どもでも口ずさめそう。最後のサビでは転調し、バスドラムがそれまでのロックからメタルになる(バスドラム連打のdkdk……と表現されるアレ)。

 

3.おやすみレニー

「朝までハロウィン続けようよ」なんて、はしゃぎすぎて疲れたんだね。おやすみ。

  曲調も女性ボーカリストの歌い方も明るいので安心して聞ける。と思ったら、終盤に差し掛かる頃から、「えっ」と思わずにはいられない、悲しすぎる展開が待ち受ける。聞いているだけでも泣きそうになったが、歌っていたら声が出せなくなってしまった。それほどまでに、悲しい物語の曲。それを、この女性は朗朗と歌い上げるものだから、「プロってすごいな」と感心もするし、「強い母親だな」と物語に没入して称えたい思いにもなる。

 

4.【ハロウィンと夜の物語】

 シークレットトラックというやつである。いや、とくに隠れていないので、ボーナストラックかな。
 「朝までハロウィン」のサビメロを中心に、ピアノで演奏される。こもったような、湿ったような音色で「朝までハロウィン」をマイナーキーにして演奏するとこんなに印象が変わるのかという感じ。とにかく切ない。3曲目でのことがあるからよけいに。最後の、「ハロウィン、ハロウィン、トリックオアトリート」がずるい。泣かせにきている。

 

おわりに

10月31日のうちに書きたかったな。ぎりぎりで間に合わなかったかも。

私は、Sound Horizonの今後を応援しています。