大塚愛 『LOVE COOK』 2005年12月14日
初めて聞いたのは中学生の頃。一通り聞きはしたけど、あまり好きになれませんでした。メロディも頭に残らず。
失礼なことを書きますが、このアルバム、「なんかビミョー……」で終わってしまいました。
記のように、メロディが残らなかったこと、以前から知っていたり好きだったりする曲がなかったことがその理由でしょう。
そんな私が、13年越し位、2019年に聞きました。
好きかどうか、その度合いが低い☆1から高い☆5までで点数でも付けてみますか。
1.5:09a.m. ☆4
―朝早い時間に目が覚める。時計を見る。起きるのには早すぎるけど、寝直そうとするも眠れず。でも今日は休みだから、このまま起きちゃおうかと布団を離れ、窓から見る外はもう明るい。試しに外に行ってみようと、起きたままの服装で玄関扉を開ける。さらに家の周りを歩いてみる―
演奏時間は短いけれど、夏の早朝の静けさ、サビでは高揚する感覚を体験できる。メロディは派手ではないので夏の“早朝”という印象。始まりは静かながら、ギター、ベース、ドラムが演奏されていて耳に心地よい。
「遠くの方で 光が生きてる」
2.羽ありたまご ☆4
前楽曲と時間的繋がりが強く、朝食を摂る前といったところ。ギター、ベース、ドラム、ストリングス有り。イントロとアウトロのギターのメロディが好き。サビのストリングスも良い。弦の音が加わったら煌びやかになるかというとそうでもない。全体的に、あまり明るくはなく、ちょっと悲しさが漂う。
「青い空に高く 今なら飛べるかな」
3.ビー玉 ☆4
―午前10時辺り、もう太陽が昇ってきた頃。ウッドデッキなんかに腰掛け、明るい日差しのもと庭を眺める。コンクリートの照り返し。家の周りを少し歩く。色とりどりのビー玉を、光にかざしてみる―
前の2曲と大きく雰囲気が変わる。電子音がきらきらと鳴っていて、歌メロも明るい。落ちこむこと、つらいことはある。でも、ピースするような気持ちの時だってある。いつか未来の自分が今の自分を思い出す。その自分は、きっと笑っているんだろうな。
歌詞を見たら懐かしい気持ちになった。ビー玉が入っていて、飲み口を塞がないようにビン内側の突起でビー玉を止めて飲むラムネ。栓をしているビー玉を付属のピンで押し込み、栓を開ける。お祭りの時なんかによく買ってもらったよ。
「昔ながらのサイダーの中に眠る心の玉」
4.SMILY ☆5
13時とか、明るくて暑いのが似合う曲。暑苦しいわけではない。
「ビー玉」に続き明るい曲。ギター有り。ベースとドラムも演奏されていたら嬉しかったのですが。本物の楽器の音が好きなのです。かっこいい曲。
最後のサビ「笑って 笑って 君と明日 会いたい」のとこ、「君とあした」の“あ”。音が出きっていない(ちょっと低い)のが聞いていて気になってしまう。
息を吸う音が殆ど聞こえない曲。
(私の)中学校の運動会で流れた曲。
「せつない 気持ちは 口ぶえにあずけてみよう」
5.U-ボート ☆2
前曲の直後。―浜だけじゃ終われない!海に飛び込もう!―
歌も演奏もロック。言葉で表せないけどあまり好きになれない。
「なんちゃって」
6.ネコに風船 ☆4
―16時。夏だからまだ明るい。海から帰宅。前曲までの、仲間と共に叫んだり笑いころげたりの熱気も次第におさまってきた。先ほどまでの興奮が、今一人でいる事を強く意識させ、寂しささえ感じる、かもしれない。少し落ち着いて、日常に目を戻そう―
このアルバムを聞いて間もなかった十代前半。せめて1曲、好きになりたいと思っていて半ば無理やり好きになった、なろうとしたのがこの曲だった気がする。なんとなく猫が好きだからとか、切ない感じがするから、とかそういう感じで。メロディは、悲しくはないけれど、切ない。温かさもある。ノラネコの思い。
「かわいいと一瞬のもてはやし」
7.Cherish ☆5
前奏からして、星空の下歌っている姿、もしくは星空が思い浮かぶ。空気が澄んだ夜に聞きたいかな。暗く、悲しい。アルバム後半に来た感じ。この曲から流れが変わる。
荒っぽく感情的に進行し、出し切ったように、あるいは感情的になってしまったことかき消そうとするかのように、終わる。
意図的なのか、楽器の音が不明瞭で、それがもったいなく感じる。
十数年ぶりの今、初めて聞いたような。こんなに良い曲があったの……。あの頃の自分でも、気に入っていてもよいはず。しかしこの曲の記憶が全くない。CD1枚、通して聞いてすらいなかったのか?
「大人だとか 子どもだとか もう関係ないよ」
8.ラーメン3分クッキング ☆1
―19時、自宅―
この曲はちょっとなー……聞いていて恥ずかしくなるようなメロディと歌詞です、私にとって。1,2回聞いただけでも頭に残ります。この“ヘンな”歌が、授業中、気がつくと頭の中で流れていました。
十数年ぶりに聞いてみても、気持ちは変わらず。やはり好きにはなれませんでした。この曲が「Cherish」の後に配置されているのもよくない。あの悲しみに浸っていたいのに。
「カップラーメンお湯入れて3分待ってるトコ」
9.東京ミッドナイト ☆3
金管楽器の音色とリズムが軽快。はじめはこの軽快さがちょっと苦手だった。
「何だってあふれる この都会は 苦しみも もうどうしようもなくて」
10.プラネタリウム ☆5
―夏祭りの日か。こんな夜は思い出す。時刻は21時。祭りは終わり、静寂を取り戻した、祭り会場へ歩き出す。二人で計画して、こっそり家を抜け出したことがあったね。いつもと違う、夜の町。辿り着いたあの公園で、見上げた空には星―
歌詞もメロディも悲しい。バンド形式だけど演奏は控えめ。最後のサビで転調し、悲しみを力強く歌い上げる感じが熱い。永遠の別れ。
「今すぐ かけだして 行きたいよ」
11.Birthday Song ☆3
最初に「Happy birthday.」と掛け声のようなものがあるけれど、アルバムの最後から2番目だし、一人で、誕生日を歌っているという印象。ハーモニカの存在が、明るく陽気な雰囲気にさせる。
「まだ もみじのような手だった頃」
12.LOVE MUSiC ☆4
ゆったり。歌メロも派手ではないけれど、このアルバムの最後にふさわしいと思う。終わっちゃうんだな、と切ない感じがする。
夕暮れの頃、夜寝る少し前、日の出の後。どの時間帯に聞いても悪くない。でも真昼はちょっと違うかも
「この世界が 小さな愛をもらえた時 いつか大きな愛を みんなに見せてくれる」
CDの発売は冬だけど、夏に聞きたいアルバムだと感じた。思い出というのか思い入れというのか、このCDを買った頃の懐かしさが湧いてくる。
昔は、好きな曲のためだけにCDを買い、その曲のみを聞くという聞き方だった。それが漸(ようや)く、始めから終わりまで聞けるようになった。いくつか好きになれた曲もあるので、『全然聞かないのに思い入れがあるから手放せない』という縛りから解放された思いがする。
このCDを買う時は、“CDのみの通常盤”や“DVD等が付属する初回限定盤”なんてものがあることは知らなかった。帯等に表記はないけど、DVD付きだし非・通常盤かな。
大塚さんの作品に限ったことじゃないけど、色々付属の特別盤とかとなるとケースは厚い傾向にあるし、映像は見ないしでねぇ。「CDだけ」バージョンで充分だな。
Vocalパートの最低・最高の音を頑張って聞き取りました。表記、間違ってそう。