好 -kou

繊細人を自称し、香り・匂い・音・服好き。音楽を聞くこと書くことが好き。植物動物も好き。

レビューか、将又感想か。~夏の歌編~

f:id:lovesol:20200905111335j:plainこのところ、理由なく前向きな気分になったり、自分の能力の無さに苛立ち塞ぎ込んだりの日々が続きます。

 

 

 十数年も前は、音楽番組の夏に聞きたい歌特集を心躍らせながら見ていたものです。ありましたよね、「夏うたランキング」とかなんとか。そんな番組を見たからか、夏は必ず聞きたい曲というものができていました。できたというのは、自身で生み出した曲という意味ではありません。あの歌手のあの歌が好きで、さらにそれは夏に聞くのに相応しいと、リストアップした程度のものです。
 “夏になったらどうしても聞きたい”というようなことを書いておきながら、CDも曲データも処分したものもあります。今はCDが無くたって聞けるし歌詞やらその他の情報も検索すれば見られます。ただ、一度は買ったCDなので、その後手放したとしても、歌詞カードに普通に載っている歌詞を検索したり動画サイトで聞いたりするのも、なんか嫌。明確な理由はないのでただの拘りですけどね。

 

曲名 歌手名 『収録作品(主にアルバム)名』 発売年月

と、感想でも書いてみましょうか。

 

 

1. 波乗りジョニー 4:27 桑田佳祐 『TOP OF THE POPS [1]』 2002 [☆5]

 夏の海や砂浜が思い浮かびます。よく知られた曲です。サビの高いパートも歌いたくなります。もっとバンドサウンドな「波乗りジョニー」が聞きたいです。

 

2. 君こそスターだ 4:23 サザンオールスターズ 『KILLER STREET [2]』 2005 [☆5]

 軽快で疾走感もあり、波乗りジョニーより音の安定感があり、かっこいい仕上がりです。

 

3. 少年 5:37 Mr. Children 『SUPERMARKET FANTASY』 2008.12 [☆5]

 ミスチルの「夏うた」です。メロディも歌詞も、爽やかさとはほど遠いようです。
 力のこもった演奏と疾走感の低さ、切実な詞。そして、かすれているのか、張り上げているのか、それとも息を切らすほどに叫んでいるのか。歌唱には感情がこもっています。メロディと歌詞との相性も良く、そういった要素によって、聞いていると胸が苦しくなるようです。このメロディにこの歌詞だから、こんな気持ちになるんだなという感じ?よくこんな歌詞が書けるなと感心してしまいました。難解な言葉を使っているというのではなく、心情の表現が“巧みがかっているな”という意味です。
 会いたくて仕方ないほどの子供の頃の友達、または好意を抱いていた異性がいるとさらに心動かされます。

 

4. 夏恋 シド [☆5]

 夏祭りを感じさせる一曲です。恋人と一緒にいる楽しさと、祭りが終わることへの、気持ちを歌っています。「甘酸っぱい」を意識した曲でしょうか。
 アルバムを買おうかと何年か探していますが見つかりません。CDを売るお店少ないし。

 

5. 夏の日 5:52 cali≠gari 『第2実験室「改訂版」』 2000(?) [☆4]

 この楽曲の前に、たしか「第2実験室 出口」という数秒の曲(金属製の扉を閉めるSE)があります。
 ―実験室‐暗く、攻撃的な曲が多くを占めるこのアルバムの世界‐を出る。そして、いままで閉じこもっていた、陰鬱な自分の世界から抜け出し、生命や光で眼が眩むほどの広い世界に一歩踏み出す。実験室、そしてそれまでの自分と決別するかのように、扉をしっかりと閉めて―
(歌詞を考察するというのは、なかなか難しいですね。)
 「夏」を主題としていても、これは爽やかさや明るさ、解放感とは縁が薄いです。昼から夕方になる頃の、気怠さ、憂鬱さの方が感じられそうです。石井さんの歌い方や声、メロディの影響かな。
 と思っていましたが、そんなことはなさそう。主人公が新しい世界へ踏み出そうとしている、開放的で前向きな詞のようです。「今旅立ちの時 新しい朝に」なんていう箇所もあるので、自分の印象とは異なり初夏とか朝を思わせるもっと明るい系統の曲のよう。高校生くらいの時に聞きましたが、小学生の頃の夏休みとそれに関する懐かしさを感じさせてくれる、風流ある曲です。
 この曲、とてももったいないと思うところがあります。それは
[A]2番の「誰もいない朝の路地裏――」の所が短いこと。1番と同じ歌詞で構わないから、それ(1番)と同じだけ長くしてもらいたかった……。cali≠gariの、とりわけ演奏時間が長い曲(6分を超えるもの)はどこか特別な感じがするのです。だから、自分としてはこの「夏の日」もまた、6分を超えるどころか7分の大台でもいいのに、と思ったのです。(彼ら、に限らず)他の楽曲と比べて演奏時間が長いというのは、印象付けさせるための要素の一つだと思うのです。それがなくとも充分印象的な曲ではあります。
[B]2番サビの「夏の日 燃える 蝉の声 今旅立ちの時 新しい朝に」の所。この歌詞の部分は2回歌います。「夏の日」の最初の “な”が一番高い音なのですが、2回目はこの高さが出せなかったからか、2回目のこの部分、まるまる“ちょっと低い”のです。好きな歌で何度も聞いていたので、ここに近づくにつれ構えてしまい、どうしようもない気持ちになりながら聞いていました。
 数年(十数年?)後にアレンジされています。この新版、ボーカルも演奏陣も強力になっています。[A]について、歌詞は変更も追加もされていませんでした。夏の日(原曲版)には、曲の始めと終わりに環境音(セミの鳴き声)が組み込まれていました。新版は、その両方がなくなっていて、たしか20秒程演奏時間が短くされてしまいましたね。更に短くなってしまい、残念だと一人勝手に感じていました。[B]については、改善されています。ちゃんと声が出ていて気持ちよく聞けました。
 ちょっと残念に思うところを書きましたが、とても好きな曲です。

 

6. グロウアップ 3:32 Hysteric Blue 『bleu-bleu-bleu』 2001頃? [☆5]

 『学校の怪談』のオープニング曲でした。
 当時は主人公の「さつきちゃん」が歌っているものと思っていました。実際はヒスブルのボーカリストが歌っています。声量があるというのか、とてもパワフルだけどそれでいてかわいい声が魅力です。

 

7. サマーデイズ 5:57 ケツメイシ 『ケツノポリス5』 2007.08 [☆5]

 私は楽器をあまりにも知りません。ですので、音色を聞いてその音を出す楽器の名前を知ることができないのですが、この曲は前奏から夏っぽさが強く感じられます。それはやはり、楽器の音色(とメロディ)に由るところが大きいのでしょう。
 「男女6人夏物語」と同じアルバムに収録されています。「サマーデイズ」はどこかゆったりとしていますが、夏の暑さとか眩しさを強く感じるのはこっちです。過ぎ行く夏をくどいほどに惜しむ曲です。
 人間80年生きたとすれば、その一生で迎えられる夏はたったの80回、ですからね。

 

8. 男女6人夏物語 6:46 ケツメイシ 『ケツノポリス5』 2007.08 [☆4]

 ケツメイシの夏といったら「夏の思い出」(『ケツノポリス3』)だろ、という声がありそうだし、そちらの方が人気もありそうだけれど、私はこの「男女6人夏物語」をより気に入っています。
 この曲も、惜しいと感じることが3つあります。それは、
[ a ]転調後のサビ、「確かめる―見つめ合う」の、“確か”と“見つめ”の音が不安定なこと。
[ b ]次の曲までの間が短すぎること。フェードアウトして終わるので、音が急に途切れたり無くなったりするような終わり方ではないのですが、それにしても曲の切り替わりが速すぎます。もっと本楽曲の余韻……。曲の終わりに5秒位の無音があってほしかったなと、私は独り勝手に思っています。
[ c ]インスト版が無いこと。シングル「花鳥風月」にはあるのですよ。折角曲を作りシングルまで出してくれているのだから、インスト版を収録してほしいものです。「表題曲」に始まり「表題曲-instrumental-」で締めてくれた方が、完結している印象があるのです。これ、重要な気がします。ケツメイシの中でも特に好きな曲だから、インスト版があってほしかったと思います。好きでない曲だと何とも思わないのですがねぇ。
 1番サビとそれ以外とでは、何か雰囲気が違います。音楽が少し違うというか、んー、ハーモニー、とも違うかなぁ。とにかく1番とは異なり……なんでしょう。―主人公は、仲間たちと居られるこの時間、一日に終わりが近づいていることを、ふとした瞬間意識してしまった―そんな時の寂しさを表現しているような感じ、主人公に共感したような気持ちになります。1番と2番以降のサビを聞き比べると、その雰囲気が分かると思います。
 MAO/dという方とRYOJI氏がサビを歌っているようですが、RYO氏,大蔵氏も加わってくれたら、重厚で賑やかで迫力もでそうだな、聞いてみたいです。

 

9. 君がいた夏 5:51 Mr. Children 『Everything』 1992.05 [☆5]

 ギターの音色とか、曲名やシングルのジャケット写真に由(よ)るところもあると思いますが、前奏をちょっと聞いたら、なんとなく夏の風景を想像できるというのは、なんと言いますか。
 仲間同士で騒ぐ様を歌った夏の曲も好きですが、「君がいた夏」のように恋人と自分との二人(で過ごしていた頃の思い出)を歌った曲も大変に好きなのです。
 1サビ「変わらない」と2サビ「この胸に」は一息で歌ってくれるのに対し、3サビは「変わら」で区切ってしまいます。ここも一息で歌ってくれたなら。ただ、この部分文字は5つしかありませんが、後ろに行くにつれ高い音になるので、実際歌ってみると楽ではないんですよね。
 1枚目のシングル。そのサビで 「また夏が終わる もうさよならだね」 と歌うのが印象的です。表題曲の歌無し、「Instrumental Version」が収録されています。これは私にとって嬉しいことです。
 ここで述べた中で最も古い曲ですが、しっかりと(歌手名や曲名を認識して)聞いたのは最も後です。
 20代前半でこの歌詞が書けるというのは、羨ましいものです。語彙や表現に長けているだけでなく、人生経験というのも重要なんですね。

 

10. いわし雲 4:51 藍坊主 『ミズカネ』 2010.02 [☆5]

 アルバムの中でも優しい雰囲気の曲ですが、ここで挙げる他の曲と比べても、やっぱり優しい感じです。それはなぜでしょう。様々な用語を以って説明ができればいいのですが、生憎そうもいきません。きっと音色と歌詞、メロディがそうさせるのでしょう。それに、hozzy氏の声と、「うまく言えないけど」楽器陣が優しく演奏しているからかと思います。その要素が揃ったことで、優しい曲だと感じたのでしょう。
……わかりました、「いわし雲」ですね。この言葉の響きです。

 

11. 夏模様 5:15 KinKi Kids 『i album -iD-』 2006.12 [☆5]

 日が暮れ、濃い黄から橙みを帯びる頃に聞きたい。
 お二方とも歌が上手で、この曲にあってはメロディや各楽器の音、テンポとかの要素が非常によくフィットして、歌に聞き入ります。
 この曲をイヤホンで聞いていてそのまま寝てしまい、その日夢にクラスメイトが出て切ない気持ちになっていた頃、この曲ばかり聞いたな。夢の続きを見たい……とか思ったんだろうなぁ。

 

12. 黄昏のサマー・ホリデイ 5:38 桑田佳祐 『TOP OF THE POPS [1]』 2002 [☆5]

 8月も下旬に差し掛かった、ある暑い日。明日からの一週間を思うと気が重くなる夕方。海か山かでいうと、山ですね。しかしそれは山中にいる自分とかではなく、田舎の家でセミの鳴き声を聞きながら夕空と山々を眺めている姿。そんな寂しさと憂鬱さが押し寄せてくる曲といったところ。
 前奏部では、ヒグラシと風鈴の音。私にとっては、上に書いたような情景が浮かんできたのですが、音はデジタルっぽさが強めな感じがします。これも、バンドサウンドで聞きたいですね。生き物の死が表現されているのが(1か所だけですが)あります。まだまだ子供だった中学生の時に聞きましたが、それは私の心にこの楽曲を強く印象付けました。

 

13. secret base ~君がくれたもの~ 6:44 ZONE 『Z』 2002.02 [☆5]

 当時の売上や本楽曲の認知度、このアルバムに関しての、メンバー、事務所やレコード会社の動向等は全く知らないし興味もないのですが……。2月発売、ジャケット写真と歌詞カードには雪原です。
 8曲収録で、本楽曲は6番目。最後が「secret base ~君がくれたもの~ Piano ver.」ということなので、夏を歌った「secret base ~君がくれたもの~」は実質?最後から2番目という重要な位置にあると考えます。ピアノversionまでも収録するということは、「secret base ~君がくれたもの~」はやはり大切な曲だったということではないでしょうか。なら、いっそのこと発売を夏まで待って、収録曲数も10‐11くらいに増やして、曲も写真も夏全開なアルバムにしてくれた方が嬉しかったかなー。んー、やっぱりどっちでもいいか。
 曲名に関しては、「君がくれたもの」だけの方が、夏の終わりの寂しい一幕っぽさがあるような。
 シングル版は、フェードアウトすらも早々と切り上げるかのように、余韻に浸る間もなく終わってしまう印象でした。アルバム版は、長く演奏し、最後はドラムループ(と言うの?)をフェードアウトさせるというもの。6分40秒という長さ、私は好きです。演奏時間が長い曲というのは、それだけでも印象に残ります。
 歌を聞いたことはだいぶ以前からありましたが、曲名・歌手名は知らなかったのです。記憶によると、『今日の5の2』というアニメがありました。そのアニメの声優さん方によるカバー版でこの曲を気に入り、調べ、オリジナルはこの「ZONE」というバンドのものだと知りました。素敵な歌だと思った、2010年夏の終りのことでした。
 紙のお面バンド「流田Project」にカバーされ、3枚目アルバム『流田PPP』に収録されましたね。

 

14. 打ち上げ花火 4:48 SCANDAL 『STANDARD』 2013.10 [☆5]

 昔は、熱中するとか専心するとかを“ハマる”とよく言っていたものですが、夏終わり頃になるとこの曲にハマります。
 終始よく聞こえるベースですが、ことサビに入るとガンガン鳴りだすのがたまりません。この曲は二人で歌っていますね。私は「haruna」さんの声が好みです。この曲では、可愛い歌い方をしていらっしゃいますねぇ。元気のある歌声としっかりした演奏で賑(にぎ)やかなのですが、そこは夏。どうも、この曲の主人公には手放しではしゃぐことのできない事情でもあるのか、と感じさせる、切なくならずにはいられない、よい曲ですよ。

 

15. 祭男爵 3:32 ORANGE RANGE 『musiQ』 2004 [☆4]

 『musiQ』を最初に聞いたのは2005年。“変な曲が多い。そしてその多くは好きになれなかった”で終わってしまったアルバムです。サビすらも知らないか、覚えていないというものが多いのです。「祭男爵」も当時の私にとってはそういう曲のひとつで、30秒も聞かずにスキップしたのを微かに覚えています。
 この曲にも、ちょっとした不満があります。まずは、やはり時間が短いということ。“削りすぎじゃない?”と思いました。次に、歌声が演奏に呑まれている、歌声が弱いと感じられること。そして。特にバスドラムの音、ぼやけていてあまり聞こえません。まぁ、バスドラムの音がはっきりしているかどうかなんてことは自分の好みだし、イヤホンや聴力の問題かもしれません。しかし、演奏も、もっとはっきり聞き取れる音質だと嬉しいなーと思ったのです。
 ただ、これほどかっこいいとは知りませんでした。サビまで聞いたことがありませんでしたから。演奏にも音にも迫力があります。4拍子の2と4拍目にスネアが鳴るというパターン(この表現間違っていなければいいのですが)には、何とも言えない疾走感があって好きだと思うことが多く、この曲にはそれがあります。気に入りました。2019年になってです。

 

16. 金魚花火 4:34 大塚愛 『LOVE JAM』 2004 [☆5]

 夏を感じさせる逸品もとい一曲です。―祭り会場では殆どが花火に注目している中、主人公はひとり喧騒から離れた所で金魚すくいをし、すくった物を目の高さに持ってきて、それをぼんやりと見つめた後視線をゆっくりと花火に―といった様子でしょうか。
 全体的にしっとりとした感じですが、歌が終わる辺り(曲の終わりではなく歌詞が終わる所)で打ち込みドラムのようなものが騒ぎだし、再びもとの静かな状態に戻ります。あれは何を表しているのでしょう。主人公の騒ぎだす心、焦り。
 暗く切なくしっとりでこれも良いのですが、バンド編成のものも聞きたいです。

 

17.  プラネタリウム 5:10 大塚愛 『LOVE COOK』 2005.12 [☆5]

 夏祭りの終わった夜に聞きたい。終始悲しいのがとても好みです。
 演奏控えめに、歌を際立たせるのもありですが、演奏を激しくすることも感情表現に大いに効果ありと思うのです。この曲が前者なら、後者の「より激しい版」も聞いてみたいです。

 

18. 小さきもの 5:34 林明日香 『咲』 2003.05 [☆5]

 多感な年に聞いたもので、感動しました。私はポケモンゲームの中で特に『ポケットモンスタールビー・サファイア』(以下「RS」)が好きです。その世代の劇場版ポケモン『七夜の願い星 ジラーチ』のエンディング曲です。初めて友人と一緒に見たポケモンの映画。(親が連れて行ってくれて)映画館で見たということもあり、よい思い出です。
 一番好きな版が、私にとっては「RS」で、ホウエンという舞台・人キャラクター・ポケモン・ストーリー、友人と過ごした時間、友人とともに楽しんだ「RS」、そしてその舞台をモチーフとした映画で感動し、歌でも感動し。今でも大好きな曲です。
 これまで挙げてきた曲の中でも、歌を聞いたタイミングとそれにまつわる思い出との関連が強い曲です。好きなポケモン「RS」とそれが舞台のポケモン映画、それを仲良しだった友人と見たという事実。きっと私は思い出にすがりつくために、あれから何年も経った今でも夏には聞いているのでしょう。そしてこの先も。

 

 

順位を決めたわけではありません。順番には悩みました。
思う所を述べた、まとまりのない唯の感想です。

 

またしても、各楽曲のボーカルパートの低音と高音を頑張って聞き取って、書くということをしました。できが悪いです。
最も低い・高い音だと思う高さを聞いたらキーボードで音を確かめる。分かるまで繰り返し聞くというのは根気がいますね。
表記は http://www.music-key.com/explain/ を利用しました。

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