気持ちを表に出すことが非常に苦手、でも色々と思いは溜まっていきます。”認められたい”だとか”共感したい・されたい”だとかの思いが、私の小さい器からついに溢れてしまったのでしょうか。”何か書いてみよう”と思ったのが、始めるきっかけ、なのでしょう。
音楽CDの感想でも少しずつ書いていこうと思ったは良いのですが、そんな私の行く手を阻む存在が。それは”知っている言葉がとても少ない”というものでした。よくいう”壁”というよりは、”大きな裂け目”や”途切れた道”と表す方が適していそうです。進むのを妨げるという点では壁も穴も同じですが、私には色々なものが足りていなかったのです。
少しでも豊かな表現ができるようになりたいと思うようになります。そして調べます。そのような言葉が載った本、辞典のようなものを。
迷い、検討し。結局中身を見ずに購入しました。アンジェラ・アッカーマン,ベッカ・パグリッシ=著、滝本杏奈=訳『感情類語辞典』です。
- 作者:アンジェラ・アッカーマン,ベッカ・パグリッシ,Angela Ackerman,Becca Puglisi
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2015/12/25
- メディア: 単行本
感想……
このような本の感想とは些かおかしい様な気はしますが、それでも書いてみます。
- 語彙を豊富にし、また言葉の意味も知りたいという人には向かないかも。
例えば、気持ち・気分が「暗い」という意味を含む別の言葉に、”沈んだ”、”悲しい”、”陰気な”、”絶望した”等がありますね。しかし、この本には「暗い」という項目がありません。そのため、「暗い」という言葉を引き、そこから意味の似た別の表現を探す、ということができません。例のように、”「暗い」気持ちを、もっと難しい、或いは格調が高い言葉で表現したい”という時にはあまり役に立たないと思いました。 - 感情から生じる行動や反応の例文集として役に立ちそう。
例えばキャラクターが「幸福」な状態の時、外的シグナルとして「鼻歌を歌う」、内的感覚として「息切れする様な感覚」、精神的反応として「人の気持ちを良くしてあげたいと望む」といったように、感情に由来する行動や反応等についての表現が、”外的なシグナル”、”内的な感覚”、”精神的な反応”等の要素に分類されています。人物の動作表現を書く際に参考にできそうです。
生き生きとしたキャラクターを描くために、人間の喜怒哀楽に由来する行動・反応・心理パターンを集めた本です。物語を描く人にはよき友なのでしょうが、言葉を勉強することが目的の人には向いていないでしょうね。
一応注意書きがありますが、北米の文化に準じて書かれたものということで、馴染みのない表現やおおげさに感じられる表現、共感しづらい表現もあります。感情の語に対応する英語が(単語で)書かれているので、発音記号も併記されていたらもっと良かったかなと思います。
この本が少し可哀そうに感じてしまいますが。
無駄ではなかったとは思うけれど、必要なものではなかったな。
カバー(本の縦4分の3程を覆う帯。先の画像の水色の部分)のイラストが気持ち悪いです……。いやなので私は外しています。ハードカバーではなく、特に何も施されていないただの紙の表紙ですが、赤茶色の革のような装丁が綺麗ですよ。